あなたは日常生活において、「ストレス」を感じることはありますか?もちろんストレスなく過ごせるのが理想ですが、仕事や人間関係においてストレスゼロというのはなかなか難しいですよね。ストレスを自覚していなくても、身体がストレスを直に感じている場合もあります。そのストレスの影響がお腹の状態に出てしまう方も少なくありません。しかしこのストレスをただ放置してしまうと他の身体の不調と併発し症状が出てしまうこともあります。このようなストレス社会の一方で、オフィスワーカーの3人に1人が「眼精疲労」を抱えているというデータもあるほど、電子媒体の普及により眼精疲労も現代病の一種となっています。
眼精疲労と下痢、一見無関係だと思われますが、実はつながりがあるのです。眼精疲労により目の筋肉が凝ってしまい自律神経が乱れるというケースです。
ここでは眼精疲労と下痢の症状の関係について詳しくご説明します。今目の疲れに悩んでいるあなた。症状を放置し悪化させないためにも、この記事を参考に実践してみてはいかがでしょうか?
1.眼精疲労について
まず眼精疲労とはそもそも何なのか、ご説明していきます。
【1-1.眼精疲労の定義】
眼精疲労とは、一言で言えば「目の疾患」です。テレビCMや広告などで当たり前のように使われている眼精疲労という言葉ですが、実はかなり重篤な症状を意味するのです。定義としては、目のかすみや倦怠感、充血と言った諸症状が継続して長く続くこと、とされています。ここが単なる「疲れ目」との差です。疲れ目は、かすみ目やゴロつきが出ても一晩寝る、もしくは目薬を差すなどすればすぐに治る状態のことを指します。一方で眼精疲労は疲れ目の症状が悪化し、1日や短期間では治らない状況のことを意味するのです。
【1-2.眼精疲労の種類と原因】
眼精疲労を発症する原因は様々なものがあります。そしてその原因に応じて、眼精疲労は大きく3種類に分けることが出来ます。
まず1つ目は目の疾患性の眼精疲労です。これは眼精疲労の症状が出ていながら、その原因が目の疾患にある種類です。乱視や老眼、白内障などといった疾患が引き起こす眼精疲労のことを指します。2つめは環境性の眼精疲労です。これは常に画面を眺めている習慣や、乾燥した空間に長くいるなどの環境が眼精疲労を引き起こしている場合を指します。最後は精神性の眼精疲労です。眼精疲労は強いストレスを感じる状況下でも発症します。このように、眼精疲労を引き起こす原因もあらゆるパターンが考えられるのです。
【1-3.眼精疲労の症状】
眼精疲労の症状には様々なものがあります。代表的なものとしては目の疲れ・かすみ・ごろつき・乾燥・充血などです。悪化すると眩しさや、目の痛み、目が開かないといった症状を感じるようになります。その他には肩こり・頭痛・めまい・吐き気などといった身体的症状が出ることも眼精疲労の特徴の一つです。
【1-4.眼精疲労のリスク】
人間の眼には多くの神経が通っており、それはもちろん脳とも連結しています。人間は日常生活の情報の大半を視覚から得ているというデータもあるほど、目に頼って生きているのです。そのため、目の神経を通って脳へ繋がる体の神経も多くあります。これが何を意味するのかと言うと、眼精疲労のような目の疾患が起きると体のあらゆる部位に不調を来たすことになる、ということです。実際に眼精疲労が悪化すると、自律神経失調症やうつ病を発症する他、耳鳴りや立っていられないほどのめまいを発症してしまうケースもあります。
2.眼精疲労のメカニズム
ここからは眼精疲労についてさらに詳しく、そのメカニズムについてご説明していきます。
【2-1.眼精疲労のメカニズム】
眼精疲労が起きる大きな要因の一つは、目の筋肉の疲労です。現代人に多い眼精疲労のタイプは、目の酷使により目の筋肉がこわばったり疲労してしまうというものが多い傾向にあります。先ほど少しご説明したように、人間は生活する上で目に大きく頼っています。そのため、目はより正確で多くの情報を取り入れるために複雑な動きができるような作りになっているのです。眼球を動かすのも、物にピントを合わせるのも全て目の筋肉が働くことで出来る運動です。そのため一点を見つめ続けるなど、目の筋肉を酷使するような動きをすることで眼精疲労は起こるのです。
【2-2.目の組織と自立神経】
目の筋肉を始めとする組織が動くには、自律神経が深くかかわっています。自律神経は先天的に人間に備わっている神経で、感情と共に体のあらゆる機能を動かします。例えば涙の出る涙腺にも自律神経の一種が備わっており、リラックスしていると涙が出て目が潤い、緊張していると目が乾きます。他にも、興味を持つなど感情が高ぶると人の瞳孔は大きく開きます。このように、目と自律神経は連動している部分が多いのです。
【2-3.交感神経と副交感神経】
自律神経は大きく2種類に分類することが出来ます。一つ目は交感神経と呼び、この神経が活発になることで感情が興奮したり目が覚めたりします。もう一つは副交感神経と呼び、この神経が活発になると穏やかでリラックスできます。これにより、交感神経が活発な時の人の眼は大きく見開きギラギラした印象になります。一方副交感神経が活発な時は、目の開き加減も落ち着き、涙も潤ってやさしい印象の目元になるのです。ちなみにこの交感神経は、遠くを見るときに有意になり、副交感神経は近くを見つめるときに有意になります。
3.眼精疲労が引き起こす自立神経失調症
冒頭にお話しした、下痢などのストレス症状と眼精疲労との関係についてご説明していきます。こうしたストレスは自律神経失調症という症状が原因である場合が多く、現代において患者数は増加しています。ここからは自律神経失調症の説明もふまえて、眼精疲労との関係を見ていきましょう。
【3-1.自立神経失調症とは】
自律神経失調症とは、先ほどご説明した「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れて、上手に機能しなくなってしまう症状です。目を始めとするあらゆる体の器官と密接に関係する自律神経が機能しなくなることで、体のあらゆる部位に症状が出ます。
【3-2.自律神経失調症の種類】
自立神経失調症は大きく4種類に分類することが出来ます。
一つ目は「本態性自立神経失調症」です。これは先天的なもので、元々自立神経が乱れやすい体質の人が発症する自律神経失調症です。
二つ目は「心身症型自律神経失調症」です。これは自律神経失調症の中でも最も多いタイプのもので、主に日常のストレスが原因とされています。心にも体にもダメージが及ぶタイプの症状です。
三つめは「神経症型自律神経失調症」です。これは精神的な負担や感情の移り変わりなどが原因の症状で、感受性の過敏な方などによく見られます。
最後は「抑うつ型自立神経失調症」です。これは心身症型自立神経失調症がさらに悪化したもので、うつ症状に発展している場合を指し
【3-3.眼精疲労が自律神経失調症を引き起こす?】
ではこうした自律神経失調症が、なぜ眼精疲労から引き起こされるのでしょうか。その原因について見ていきましょう。
まず現代において最も目を酷使するとされるのが、スマホやパソコン画面の長時間使用です。それも、より画面に近い位置で見るほど目のダメージが大きくなります。目は遠くを見るときに交感神経が、近くを見るときに副交感神経が活発になります。当然画面を近くで見る際は副交感神経が活発になるのですが、ここで問題が起きます。画面からは大量のブルーライトが放出されているのです。これが交感神経を活発にする大きな要因です。すると、副交感神経と交感神経どちらも活発になろうとする傾向にあります。このことは目の筋肉にも強い負担を掛けます。これが眼精疲労になり、長期的に続くと自律神経失調症へと発展してしまうのです。ちなみにこのタイプの自立神経失調症は「心身症型自立神経失調症」に分類されます。
【3-4.自立神経失調症が引き起こす下痢などの諸症状】
自律神経が乱れると、体のあらゆる部位に症状が現れます。下痢もその症状の一つです。これは自律神経の乱れにより胃や腸の機能が低下していることにより、食べ物が十分に消化できず排出されてしまうことが原因です。その他にも、不眠や動機・めまいや偏頭痛・疲労・微熱・手足のしびれなどと言った全身に及ぶ諸症状が発症します。眼精疲労の症状に似た症状があり、併発することも少なくありません。
【3-5.自立神経失調症の弊害】
自立神経失調症はその症状もさることながら、放置するとどんどん悪化していくことが特徴です。心身症型自立神経失調症が抑うつ型自立神経失調症へと変化していくように、悪化するとうつ症状を招くことも十分に考えられます。その他にも、睡眠障害が悪化し日常生活に支障を来たすなど、あらゆる弊害が考えられるため、少しでも症状に該当するものがあれば医療機関の受診をおススメします。
4.眼精疲労性の自立神経失調症を治すには
眼精疲労からも起こりうる自律神経失調症の諸症状ですが、適切な対処をすればしっかりと治療することができます。こういった下痢や、頭痛と言った症状は放置しやすく見逃しやすいことが特徴でもありますが、早めの対処で悪化を抑制することができます。
【4-1.目の休憩を適宜取る】
まずが眼精疲労の根本から治すためにも、目への負担を軽減させることが重要です。これには目をまず休ませることが一番効果的です。継続して何時間も画面を見続けている目は筋肉が凝り固まり、非常にダメージを受けています。そのような場合には遠くを眺める、もしくは目をつむって瞼の中で眼球をぐるぐると回すなど、目の筋肉をまんべんなくほぐしてあげることが効果的です。蒸しタオルで目の筋肉をほぐすなども非常に効果があるとされています。
【4-2.昼夜の感覚をしっかり持つ】
人間は眠る時に副交感神経が有意になります。そのため、寝るギリギリまでブルーライトを浴びているとスムーズに眠りにつくことが出来なくなり、自律神経失調症にもなりやすくなってしまいます。目を休ませるためにも、寝る前は極力スマホなどの操作を控えるようにすることで睡眠をしっかりと取って自律神経の働きを正常に戻すことができます。
【4-3.ストレスを極力取り除く】
眼精疲労のストレスはもちろんのこと、その他の日常生活中のストレスが自律神経失調症に拍車をかけている場合も考えられます。まずは目の負担を軽減することを第一に、心身ともにしっかりと休息をとることを心がけましょう。ストレス解消に運動をする、もしくは趣味に打ち込むことも効果的と言えます。
【4-4食事に気を付け栄養を摂る】
ビタミンA・B・C・Eは、自律神経をコントロールするのに非常に重要な栄養素です。特にビタミンBは、ストレスを感じた時に急激に多く消費されるようになります。そのため、特にストレス症状を感じた時にはこれらの栄養素をしっかりと摂取して内側から改善することも重要です。また、カルシウムはイライラなどの精神の興奮を抑える効果ががあります。
【4-5.医師から処方された薬の服用】
もし症状に少しでも不安のある方は、早めに医師の診断を受けることをおススメします。症状が重い場合などは適切な薬が処方されますので、医師の指示に従い服用しましょう。症状によってビタミン剤や自立神経調製剤などといった薬が処方されます。
5.適切な対処で下痢をはじめとする諸症状への対策を!
現代においてストレス症状とされるあらゆる症状は、様々な原因が重なって発症している場合があります。そして多くの場合が「ストレス」の一言で片づけられ、放置されてしまう傾向にあります。
ですが今回ご紹介したような眼精疲労が自律神経失調症を招くように、放置すると症状は悪化していきます。そのためにも、体に違和感が生じた場合は直ちに対処することを心がけましょう。